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アンネルベッド 床ずれ予防に重要なマットレス選び

床ずれ予防に重要なマットレス選び 床ずれ予防に重要なマットレス選び広島国際大学の茂木定之教授

介護や自立支援のために必要なのが、使う人の体への負担、
特に褥瘡(じょくそう=床ずれ)への配慮です。
マットレスの果たす役割や選び方、使い方についてのポイントを、
褥瘡治療や予防に長年携わっていらっしゃる広島国際大学の茂木定之教授に伺いました。

広まるマットレスの大切さへの認識

褥瘡は、マットレスや布団、車椅子などと接触する部分、特に骨の突出した箇所の皮膚が、長い時間、続けて圧迫され血流が悪くなり、その結果、皮膚や皮下組織、筋肉などへ酸素や栄養が行きわたらなくなることで発生します。他にも、その方の栄養状態、むくみなど、様々な発生要因があります。
昔は、組織移植などの方法による手術で治すこともよく行なわれていました。私も再建外科医として治療に取り組んできました。その後、研究が進み、保存的治療も積極的に行なわれるようになり、現在は、そうした治療やケアとともに「予防」の大切さへの認識が広がっています。
なかでも重要性が高まっているのがマットレスです。褥瘡ができやすい骨の突出した箇所などへの圧迫を抑えるためには、体圧分散マットレスが有効です。こうしたマットレスには、主に2種類あります。ひとつは、自動で空気を送り込み体を支える部位を替えるエアマットレスで、こちらは自力で寝返りを打てないといった重介護の方に向いています。もうひとつのタイプが、広い面積で体を受け止め体圧分散効果のあるウレタンマットレスなどの「静止型」と呼ばれるものです。予防効果という意味では、こちらの静止型タイプを施設介護や在宅介護などさまざまな場で、もっと広めていく必要があると考えています。

静止型マットレスのメリットと使い方

まず挙げられるのが、価格的なメリットです。エアマットレスに比べると、安価なため普及させやすいと思います。また、動力を必要としないため、万一の災害に対するリスクが低いことも利点です。機能性も進化しており、ポジショニング用クッションなどを同時に使って、要介護3以上の方が入所する特別養護老人ホ-ムでの導入例も見られるようです。
マットレスは本来、使う方の体型、体格、関節の拘縮の度合い、自力で体の向きを変えられるか、意思伝達できるか、栄養状態、むくみの有無など様々な点を考えて選ばれるべきです。体圧分散性とともに、体の向きを変えやすいこと、上半身を起こした時に底付き感のない厚みのものを選ぶことなども大切です。
圧迫感を覚える箇所があれば、マットレスと体との間にクッションなどを入れてさらに接触面積を増やし、かつ使う方が安楽な気持ちになるようにすることは圧の軽減と拘縮改善にもつながり、静止型マットレスの利用環境をより広げることにもなります。
超高齢者社会を迎えつつある今、褥瘡の予防をこれまで以上に考えるべきです。一方、褥瘡というものは、けっして高齢で寝たきりになった方だけに発症するものではありません。いろいろな健康状態で発症する可能性があります。その意味でも、介護・福祉施設の方であれ、在宅の方であれ、マットレスへの関心や知識を持っていただき、もっと予防という見地から、積極的に適切なマットレスを選んでいただきたいですね。